「原田病」点滴2日目
2021年2月5日(金)。点滴2日目。
視界はやはり右眼が屈折して見えるが、ちょっとだけ良くなっているような気がする。
この日も点滴は2、3時間で終了。
それ以外はものすごくヒマ。
この日だったか、先生に「月曜からは、他に症状や影響が出てないか検査するのに歯科と聴力検査、眼底の再検査、脳神経外科で髄液の採取をしてもらう。」とのこと。
もう、どうとでもして下さい。こうなったからには俺らはまな板の鯉なんです。
全体的な症状は悪くなってる気がしない。
1日3回計測してる血糖値も、まぁ、高い時もあるけど問題ない範囲みたい。
甘い物大好きなんだけどな〜。糖尿病発症のリスクがあるのであれば控えなければなるまい…。
なんとも無念…。
続く…
「原田病」点滴開始1日目
2021年2月4日(木)。
視界は相変わらずで、痛み止めを飲んでいるので痛さもほどほど。
朝、病院食が運ばれてくる。
でも、箸がない。
「箸ないんですけど。」って言ったら、「箸はご自分で準備してもらうことになってます。でも、急に来たんですもんね。」と割り箸をもらう。
病院食は出て箸が出ないってそんなもんなんでしょうか?感染症対策かなんか?よく分かんないけど。
午前中に4人部屋に移動。説明はなかったけどコロナは大丈夫だったということなんだろう。
程なくして自分のベッドで点滴を開始。
点滴されてるだけで暇なのでまたネット検索。
ステロイドパルス療法って言うらしい。
1日1000mg?の投与を3日間続けると書いてある。
ステロイド1000mgって多いんだか少ないんだか分かんないけど、点滴が終われば1日60mgの飲み薬に変わるみたいだから尋常な量じゃないことを知る。
点滴は2、3時間で終了。
一日中やってるのかと思ったんでちょっとは楽になりました。
点滴やってる間も別に動けるし。
点滴の針は3日間付けっぱなしはまぁしゃーない。
そうしているうちに職場の同僚が、職場に置いていた俺のジャージとサンダルを持ってきてくれた。それとチョコとジュースも。
本当にありがたい。
コロナ禍なので面会は一切禁止。会えませんでしたけど歩いて来てくれたらしく本当に感謝です。
でも、ステロイド中は血糖値が急激に上昇するみたいなんでチョコとジュースは治ってからいただきます。
血糖値は1日3回測定。まぁ、高めだけど、そんなに問題はない模様。
点滴後は、急な入院だったので生活必需品を揃えるため病院内のコンビニに買い出し。
コンビニに行けるだけで嬉しい。
1日に1回か2回、診察があるので、その時に疑問点を1つずつ聞こうと決める。
矢継ぎ早に聞いても先生も忙しいし、まぁ、なるよーにしかならないし。
夜の診察で「点滴は3日でワンクール。症状が改善しなければもうワンクール点滴する。」と言われる。
部屋に帰ってきて、血圧を測りにきた看護師さんに「点滴延長になる人も結構いるんですか?」って聞いたら「半々くらい」と、まぁ玉虫色の回答。
後はもう神のみぞ知るってやつですね。
続く…。
「原田病」発覚!(その2)
2021年2月3日(水)、午後2時過ぎ、大学病院に到着。
総合受付に紹介状を提出して眼科へ。
待合室にはものすごい人。
大学病院って紹介状とかないと受診できないよな?それでもこんなにいるんだ…。と思いながら診察を待つ。
そんなに待たずにまずは検査。
視力検査、眼圧、眼底?検査を流れるようにこなしていく。
途中、瞳孔を開く目薬をさしてそれ以降眩しい感じが続く。
「これからどうなっちゃうんだろ…。」と不安に思いながら診察を待つ。
待ってる人の割にはそんなに待たずに問診へ。
この後は処置室と診察室を往復。
午後5時頃、診察室において「ほぼ原田病で間違いない。ベッドの都合がついたので今から入院してもらいます。」と告げられる。
こんな感じの自分の眼底写真を見せられる。
この写真と剥離している位置はちょっと違うんですけど、まぁ、大体こんな感じ。
剥離の大きさはこの写真の3倍くらいの大きさ。
「あぁ、やっぱりか…。」と諦めの心境。
一体何なんだ「原田病」っつーのは?
先生からは「ウイルスをやっつける自己免疫機能が暴走してメラニン色素を攻撃している。目や頭に症状が出やすい。」みたいなことを言われたような。
分かったような、よー分からんよーな。
そのまま、入院新入りはコロナウイルスのPCR検査をしなきゃならないって事で、鼻に細長い綿棒みたいなものを突っ込まれる。
昔、インフルエンザ検査でも一回やった事あるけどやっぱりいてー。
お涙頂戴は必死です。
案内されるがまま眼科病棟へ。
コロナの結果が出るまでは個室ってことで一泊1万数千円の個室に。
この時点で午後7時過ぎ。
急な入院なので病院食もないってことで病院内にあるコンビニで弁当を購入。
朝から何にも食べてないので腹が減ってた。
夕食を食べ終え、着替えも何も持ってきてないのでレンタル品を借りて着替える。
取り敢えず、一息ついてベッドの上にポツンと座る。
俺はどうなっちゃうんだろ?
なにやってんだろ?
なんでこうなった?
これまでの健康診断で特段異常はなし。
なんなら人よりお金出して色々な検査をやってたくらい。
親がガンで亡くなったのを目の当たりにしてたから。
最近は運動や食生活もそれなりに気を使ってたつもり。
それなのに何でこんなことになった?
まぁ、考えても始まらないので、ネットで「原田病」を調べ始める。
屈折する視界で何とか目を細めながら調べていく。
まぁ、先生が言ってたとおりの感じであることはなんとなく分かった。
でも、何で突然この病気になったんだろ?
色々見たけど、結局は「ハッキリした原因は不明。アジア人の女性に発症する例が多い。」というような記述が。
現代医学で分からないもの俺が考えてもしゃーない。
もう後は運命に身を任せるしかない。
その他、記事を調べていくと、「糖尿病、骨粗鬆症などの合併症、白斑、免疫力の著しい低下…」など脅し文句が続く…。
一気に不安と諦めの気持ちがグルグルと回る。
時々、書店で闘病生活を綴った本が並んでいて「何で私が…」なんて帯が付いてたりするけど、本当にそんな気持ち。
まぁ、命に関わる病気ではないってことは分かったけど、でも、本当にそんな気持ちですよ。
何で俺がって。
ネットによると発症する確率は20万人に1人とも言われているらしい。
宝くじにも当たんねーのに何だよそれ。
午後8時頃から先生が病棟に来ての診察。
これからの治療法として明日から3日間、ステロイドを大量に点滴して、暴走している免疫を抑えると言われる。
副作用として免疫力を抑えるので感染症に罹りやすくなるとも言われる。
その他、書面を渡され、やっぱり糖尿病、骨粗鬆症とかのリスクを説明される。
まぁ、確率は高くないけど最悪なる場合もあるってことなんだろうけど、この病気になっている以上、もう後は祈るしかない。
入院は2、3週間とも言われる。
やっぱりか…。なげーな。
病室に帰り一人思いをめぐらす。
本当にどうなっちまうんだろ?
続く…。
「原田病」発覚!(その1)
2021年2月3日(水)、午前4時。
両目の奥に激しい痛みを感じて目が覚める。
「あーっ、なんかいてーなー。」などと思いつつも、うつらうつらしながら午前5時30分に起床。
起きてみると、なんということでしょう!
右目がボヤけてハッキリ見えなくなっているではありませんか!
まぁ、私はメガネをかけてるんですが、メガネ外した裸眼のボヤけかたというか。
最初はそのくらいだったんですよね。
その日は仕事だったので電車に乗って仕事に。
午前中は外せない会議がありましたが、それが終わったら即行で眼科に行くことを決意。
絶対何かがおかしいと思ってました。
職場の建物に着き、私の目の前を歩く人がチラチラと振り返ってこちらを見ている感じがしました。
その人と同じエレベーターに乗ったところ、「おはよう」と声を掛けられました。
そこで初めて、直属の上司であることに気づいたのでした…。
私は「すいません、目がボヤけて気が付きませんでした。」と詫びを入れました。
そして、昨日からの経緯を説明して、会議後に眼科に行くことを了解してもらいました。
午前10時30分、会議が始まりました。
配布された資料に目を通すと、四角い枠が内側に屈折して見えていることに気が付きました。
これは、いよいよだなー、と思いながらも早く会議終わんないかなーと気が気じゃありませんでした。
午前11時15分ころ、会議が終わり、自分の席に戻って、物が歪んで見えることを周囲に話しました。
すると、同僚の方が準備よく、方眼紙のようなものを私に示して、「これ、どう見える?」と試してみてくれました。(今考えるとなんでそんなもの持ってたんだろ?)
方眼紙を見ると、やっぱり右目の見え方が屈折して見えました。
ちょっと違うけどイメージはこんな感じ
後片付けも早々に、職場近くの美人女医がいると噂の眼科に直行しました。
着いたのが午前11時30分過ぎ。
お決まりの検査を受け、先生の問診。(女医じゃありませんでした…。)
これまでの経緯を説明したところ、追加の検査を指示。
やっぱり方眼紙の見え方の検査と眼底の写真を撮られました。
すぐに再び問診を受け、先生は「あんまり良くない」とポツリ。
えっ、と軽いショックを受けながら、先生は「水漿性の網膜剥離を発症している。」とのこと。
網膜剥離⁉︎
あのボクサーとかがよくなるやつ?
なんで俺が?
と軽く混乱している間に先生は「原田なんとか症がどーのこーの…」と聞き慣れない病名を。
先生は続けて「大学病院の紹介状書くのですぐに行って下さい。すぐ入院もありえます。2週間くらいかな。」
はっ?
そんなにヤバいの? 俺が何をした?
と待合室でボー然とする。
家族にも「視界が歪んで見える。そのまま入院するかもしれない。」と連絡する。
紹介状を受け取って、一旦歩いて職場に帰る。
職場に事情を説明して、荷物を持ち、タクシーを拾って約2キロ先の大学病院まで向う。
タクシーの中で「失明すんのかな?失明したらどうしよう?なったらなったでもうしゃーないな。何か手を考えるしかねーな。」など様々な思いがグルグルと頭の中を駆け回るのでした…。
続く…。
「原田病」発覚1日前
2021年2月2日(火)、午前3時。
激しい頭痛で目が覚める。
起きた瞬間、痛くて眠れないと悟ったので自宅に常備してあったイヴを飲む。
少し痛みがおさまりいつの間にか眠りに。
この日は仕事が休みだったので、午前8時頃に起床。
起きてもやはり頭痛が消えない。
ハッキリ言ってこの時点で絶対おかしいと思い、朝イチで近くの総合病院でMRI検査をしてもらうべく決意しました。
同僚でも、突然、脳出血で亡くなったり、再起不能になった方がここ近年いたもんで…。
元来のビビりも相まって、朝イチで受診。
結果は…。
全くの異常なし。
画像も見せてもらいましたが、綺麗な(空っぽな⁉︎)脳みそで、素人の私が見ても異常はありませんでした。
先生からは「痛み止めどうしますか?」など、出しても出さなくてもあんまりどうでもいいみたいな感じで言われましたが、取り敢えず痛み止めを処方してもらって帰宅しました。
その後は痛み止めを飲んで、多少落ち着きましたが、なんだか頭が重い感じが続き、早めに就寝したのでした。
続く…。
今思えば原田病の予兆
2021年2月1日(月)、何も変わらないいつもの月曜日。
電車に乗って仕事に行きました。
仕事は事務作業がメインで、閑散期という事もあり、特段のストレスもなく業務をこなしていました。
日中、いつの頃からか、頭痛がすることに気が付きました。
頭全体がちょっと圧迫感のある感じです。
市販の頭痛薬は、人生において数えるくらいしか飲んだことがありませんが、ちょっと痛むので、職場の常備薬からヴァファリンをもらって服用しました。
その後、頭痛は改善し、あまり気にならなくなりました。
夜も普段どおりに就寝しました。
しかし、これが、「原田病」の予兆だったなんて夢にも思いませんでした。
続く…。
前書き
いきなり、かつ突然、聞き慣れない「原田病」という病気にかかりました…。
40歳代前半男性、これまで大病もありませんでした。
身長175センチ、体重60キロ、時々ウォーキング、ランニングなど、全くの健康体の私が突然、原田病を患った体験を書いていきたいと思います。
ネットの記事では20万人に1人の確率で発症するとも言われるこの病気。
私のようになんの前触れもなく発症した方の参考になればと思います。